市川高等学校のちょっといい話
アメリカ、大リーグの投手、上原さんの原点
2013年、アメリカの大リーグ・ワールドシリーズで優勝したレッドソックスに所属し、日本人で初めて胴上げ投手となった上原浩二さんのお話をします。
上原さんは大阪の出身で、高校生の頃はまったく無名の控え投手でした。
高校を卒業し、体育教師になる夢を叶えるために大阪体育大学を受験しましたが、結果は不合格でした。
この時のショックは、未だ忘れられないほど強烈なものだったそうです。
ですから上原さんは、浪人してもう一度大阪体育大学を受験することを決意します。
予備校に通いながらジムでトレーニングを積み、更に家計の負担を減らすため、夜は道路工事のアルバイトに励みました。
上原さんは、「人生であれほど燃えた一年はなかった。」というほど、すさまじい努力をしたそうです。
翌年、大阪体育大学に合格し、野球部に入部。
1年半ぶりの投球は、上原さん自身も驚くほど球威が増し、球速は146kmでした。
その後、彼は大学で大活躍をし、プロ野球、メジャーリーグの舞台に進みます。
しかし所属が変わっても、上原さんはいつもチームに背番号19を希望していたそうです。
この数字には、「大学受験に失敗して浪人生活を送った19歳の1年間を忘れないように」という意味が込められており、
「野球に対する取り組みかたの原点がある。」と上原さんは話します。
2013年ワールドシリーズMVPのデビッド・オルティーズ選手は、上原さんの成績だけでなく人柄にも触れ、
「投手としても、人間としても、最高の男だ。」と、最大級の賛辞を送っています。
このように上原さんは、失敗から学び、努力し、チームメイトから愛される存在になっていることが素晴らしいと思います。